今回の記事では、履歴書でのTOEICのスコアの書き方を解説します。
TOEICは、主にビジネスシーンや日常における会話や文書などの理解力を測る英語試験です。
ビジネスに関する問題も出題されることから、最近は企業での採用や昇進において英語力を判断する一つの指標となっています。そのため、就職や転職で履歴書にTOEICのスコアを書けば、英語力を証明することが可能です。
しかし、どのくらいのスコアから履歴書に書いていいのか、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、履歴書に書ける理想のTOEICスコアを業種別に解説し、書き方や注意点もあわせて紹介します。
また、履歴書に書けるTOEIC以外の英語資格についても紹介しますので、履歴書で英語力のアピールをしたい方はぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
履歴書に書いて良いTOEICスコアは?
ここでは、履歴書に書けるTOEICスコアを業種別に紹介します。
主に以下の業種で必要なスコアやどのように活かせるかなどをお伝えしていきます。気になる業種がある方はぜひチェックしてみましょう。
ホテル業 | 600点~ |
---|---|
航空会社 | 600点~ |
外資系企業・商社 | 700点~ |
英語教育業 | 700点~ |
海外赴任がある企業 | 800点~ |
翻訳・通訳業 |
900点~ |
※English With編集部独自のリサーチになりますので、あくまでも目安になります。
1.ホテル業(TOEICスコア600点〜)
近年、訪日外国人が増えていることもあり、ホテル業に従事する方は外国人ゲストに英語で案内をする場面が多いでしょう。
ホテル業で求められるTOEICスコアは、600点以上が基準です。TOEIC600点取得者は、基本的な会話ができ、説明ができるレベルとみなされます。
外資系のホテルの場合は、700点程のスコアを求められることも。また、特にフロントなど接客の仕事を希望しているのであれば、高いTOEICスコアはアピールポイントになるでしょう。
2.航空会社(TOEICスコア600点〜)
航空会社の中でも特に空港での勤務や客室乗務員は、様々な国籍の利用者に英語で接する場面が多いですね。
特に、日系の航空会社の客室乗務員は600点以上のTOEICスコアが必要です。空港で勤務するグランドスタッフの場合は、TOEIC550点が基準となります。
また、アジア系の航空会社であれば650〜700点ほどのスコアが必要。欧米系の航空会社を希望する場合は最低でもTOEIC700点が必要ですが、英語が堪能であればTOEICのスコアに基準を設けない航空会社もあります。
英語で接客することが多いので、履歴書に書ける高いTOEICのスコアはもちろん、スピーキング力も磨いておく必要がある業種です。
3.外資系企業・商社(TOEICスコア700点〜)
外資系企業や商社は、外国人と一緒に仕事をする機会や海外出張が多い業種ですね。そのため、高い英語力が求められます。
外資系企業や商社での勤務を希望している場合、履歴書に書けるTOEICスコアは700点〜です。TOEIC700点取得者は、やや複雑な英語を読むことや聞くことに対応できるレベルと言えます。
外資系企業や商社では、英文を読むだけでなく実際に英語でやり取りができる力も求められるので、会話力もアピールできるように準備をしておくと良いでしょう。
4.英語教育業(TOEICスコア700点〜)
英語教育業では、特に英語の指導にあたる講師に高い英語力が求められます。
この業種では、最低でもTOEIC700点からを応募条件としている企業が多いです。特に英語講師は文法や単語などの幅広い知識が必要なので、履歴書のTOEICのスコアで英語力の証明が可能ですね。
英語講師だけでなく、英会話スクールのスタッフとなる場合も外国人講師との英語でのやり取りや、テキストの内容を把握できる英語力が必要です。スクールスタッフを希望している場合は、TOEIC600点ほどが基準と言えるでしょう。
5.海外赴任がある企業(TOEICスコア800点〜)
海外赴任がある企業では、数年間海外で仕事をする場合があります。そのため、入社時に高い英語力が求められることも。
こうした企業では、履歴書に書けるTOEICスコアの基準は800点からが目安です。TOEIC800点取得者は、高度な英語の理解ができ、英語で指示や要求ができるレベルと言えるので、仕事で英語を使いこなす力があると証明できます。
企業によっては、海外赴任者に850点以上のスコアを求める場合もあるので、入社してからも英語力を伸ばすための勉強は欠かせないでしょう。
6.翻訳・通訳業(TOEICスコア900点〜)
翻訳・通訳業は、日本語と英語をよく理解して言葉を伝える仕事なので、高い英語力が求められます。
翻訳・通訳業に従事する場合のTOEICスコアの目安は、900点からです。TOEIC900点取得者は、幅広い高度な内容の英文を細部まで理解できる力があるとみなされます。通訳・翻訳業を希望する方は、TOEIC900点以上のスコアを履歴書に書けばアピールになるでしょう。
また、英語力だけでなく文を素早く日本語や英語に訳す力や、翻訳・通訳を担当する業界の専門知識なども必要になる業種と言えます。
履歴書にTOEICスコアを書く方法
ここからは、履歴書にTOEICスコアを書きたい場合の方法を解説します。
そもそも、点数が不十分でスコアを書けない場合もありますので、採用担当がわかりやすいように記入しましょう。以下を見て内容を理解してみてください。
- TOEIC対策の学習をする
- TOEICを受験して600点以上を取る
- スコア取得の日時や点数を履歴書に明記する
1.TOEIC対策の学習をする
転職や就職でTOEICのスコアを履歴書に書きたい場合、まずはTOEIC対策の学習をしましょう。
TOEICの問題形式や出題傾向を知っておくことで、自分の英語力を試験で最大限に発揮することができます。また、参考書を使って演習をしながら分からない問題や知らない単語が見つかれば、新しい知識を得ることも可能です。
TOEICを受ける日に合わせて計画的に勉強を始めましょう。
2.TOEICを受験して600点以上を取る
TOEIC対策をしたら、実際に試験を受けてみましょう。
TOEICは年間10回ほど開催されているので、比較的チャレンジしやすい試験です。過去にTOEICを受験したことがある場合でも、現状の力を知るために勉強をして受験することをおすすめします。
希望する業種にもよりますが、まずはTOEIC600点以上が取れるようにしましょう。
TOEICの平均スコアが550点前後なので、550点以下のTOEICスコアを履歴書に書いてしまうと、逆に英語力がないという印象を採用担当者に与える可能性があります。
600点以上を取れるように勉強を進め、定期的にTOEICを受験しておくと良いでしょう。
3.スコア取得の日時や点数を履歴書に明記する
履歴書でTOEICのスコアを書きたい場合は、取得の年月や点数を記載する必要があります。
そのため、公式認定証でTOEIC受験日や点数を確認しておきましょう。
TOEICには個人で受ける公開テストと学校や職場などの団体で受けるIPテストの2種類がありますので、どちらのテストかも履歴書に記載すると良いですね。
TOEICスコアは、履歴書の免許・資格欄に通常記載します。年月の箇所にスコア取得年月を記入して「TOEIC Listening&Reading公開テスト800点取得」と書くのが基本です。
履歴書にTOEICスコアを書く際の注意点
ここでは、履歴書にTOEICスコアを書く際の注意点を紹介します。
履歴書に正しくTOEICスコアを記載して、企業にアピールしましょう。
- TOEICスコアが下がっても過去の最高点を書く
- 公式認定証も提出できるようにしておく
- L&RテストかS&Wテストかを明記する
1.TOEICスコアが下がっても過去の最高点を書く
TOEICを何度も受けていると、スコアが上がったり下がったりすることがありますよね。
履歴書には最新のスコアを書くのが理想ですが、直近で受けたTOEICのスコアがあまり良くなかった場合は過去スコアを書くことも可能です。
ただし、2年以上前の結果を書くことは現状の英語力の証明となりにくいので、2年以内のスコアに留めましょう。
2.公式認定証も提出できるようにしておく
企業によっては、履歴書に記入したTOEICスコアの公式認定証を提出するように求めることもあります。
履歴書にTOEICのスコアを書いた場合は、すぐに公式認定証を提出できるように準備しておきましょう。公式認定証を紛失してしまった場合、試験日から2年以内であれば再発行が可能です。
学校や企業で団体で受けるIPテストは、スコアシートのみの発行で公式認定証の発行はありません。履歴書にTOEICスコアを書きたい場合は、公開テストを受けておくと良いでしょう。
3.L&RテストかS&Wテストを明記する
TOEICには「Listening&Reading(L&R)」と「Speaking&Writing(S&W)」の2種類があります。
一般的にL&Rテストの認知度のほうが高いので、TOEICというとL&Rテストを指していることがほとんどです。しかし、スピーキング力やライティング力をアピールするために、S&Wテストを受験する方もいるでしょう。
L&Rテストは990点が満点ですが、S&Wテストは400点が満点。どちらのテストかを記入しないと誤解を与える場合もあるので「TOEIC Listening&Reading 公開テスト〇点取得」または「TOEIC Speaking&Listening公開テスト〇点」と記入すると分かりやすいですね。
TOEIC以外で履歴書に書ける英語の資格
ここからは、履歴書に書けるTOEIC以外の英語資格を紹介します。
気になる試験があれば、積極的に受験してみましょう!
- TOEFL
- IELTS
- 英検
1.TOEFL
TOEFLは、英語を母語としない人の読む・聞く・書く・話すを総合的に測る英語試験です。一定のスコアが、海外の大学や大学院の入学条件となっている場合もあります。
TOEFLには、個人で受験するiBTテストと大学内などで団体で受験をするITPテストがありますが、iBTテストが主流です。
TOEICがビジネスでのコミュニケーションに関する試験であるに対し、TOEFLの出題内容は大学や大学院で学ぶような社会、科学、芸術などに関する問題が出題されます。
TOEFLのiBTテストの試験時間は4時間で、パソコンを使っての受験です。一度の試験で、英語の4技能を測ることができます。スコアは120点満点。TOEICの600〜700点レベルは、TOEFLのiBTテストであれば42〜71点と言えます。
履歴書にスコアを書く場合は、取得年月日と合わせて「TOEFL iBTテスト70点取得」のように書くと良いですね。
TOEFLは、スコアを取得してから2年間が有効期限。履歴書に書く場合は取得年月日が2年以内のものであるか確認しておきましょう。
2.IELTS
IELTSは、英語圏に留学する人や移住する人の英語力を測るために作られた英語試験です。
IELTSは2タイプあり、留学希望の学生向けの「IELTS Academic」と英語圏への移住や就労希望者向けの「IELTS General Training」があります。
この試験は最大2日間に渡って行われます。試験はリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4つのパート。筆記受験かパソコン受験かを選択することができ、スピーキングテストは面接官との1対1形式で行われます。
IELTSは9.0点満点で、TOEICの600~700点はIELTSであれば4.0~5.0程度です。
履歴書にIELTSのスコアを書きたい場合は、「IELTS General Training 5.0点取得」のように書きましょう。また、IELTSの試験は2日間にわたりますが、スコア取得日は初日の年月日を記入するのが一般的。
IELTSの有効期限は2年間なので、スコアが期限切れになっていないかを確認しておきましょう。
3.英検
英検は、日本人向けに作られた英語の能力を測る試験で、正式な名称は「実用英語技能検定」です。
英検は、公開会場での受験とS-CBTテストというパソコンを使用したテストの2種類の受験タイプがあり、S-CBTテストは、3級から準1級の受験者のみが対象です。
英検はそれぞれの級で試験内容は異なりますが、日常生活で使われる英語についての理解度を主にリスニング、リーディングで測るテストです。3級からはライティングテストとスピーキングテストの実施もあります。
英検の級で履歴書に書けるのは2級から。TOEICであれば600~700点と同じくらいのレベルになります。
英検の級を履歴書に書きたい場合は、取得年月日に加えて「実用英語技能検定2級取得」と正式名称で書くと良いですね。
英検の級は一度取得すれば有効期限はありませんので、今までに取得した最高の級を書きましょう。
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まとめ:TOEICのスコアを履歴書に書いて英語力をアピールしよう!
今回の記事では、履歴書に書けるTOEICスコアの目安や履歴書へのスコアの書き方を解説しました。
TOEICのスコアを履歴書に書くには、まずTOEICの公開テストを受けて公式認定証を手元に置いておきましょう。
TOEICは1年間で何度も受ける機会があるので、定期的に受けて目標とするスコアを取ることも大切です。履歴書にTOEICスコアを記入して英語力を証明し、理想の仕事をゲットしましょう!
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