TOEICを受験して、自分の試験結果が平均点より高いのか低いのかが気になる方も少なくはないでしょう。
また、これからTOEIC受験を考えている方であれば、平均スコアは1つの目標になります。
そこで今回は社会人向けに、TOEICの平均点を社歴・業種・職種別に紹介します。
さらに、番外編として海外滞在期間別や高校生・大学生の平均点、国別の平均点もまとめたので、興味がある方はこちらも参考にしてみてください。
目次
社会人に必要なTOEICスコアは?
まず、社会人に必要なTOEICスコアについて解説します。
結論からお伝えすると、社会人に必要なTOEICスコアは概ね600点と言えます。
理由は2つあり、1つ目は一般企業が社員に求めるTOEICスコアが600点ほどだからです。
600点は英語の細部までは理解できていなくても、長文を聞き取ることができ、ある程度は自分の意見を英語で言えるレベルとされています。英語でのコミュニケーションに、ある程度不自由のないレベルを求める会社は多いことから、社会人に必要なTOEICスコアは600点となるのです。
また、2つ目の理由としては、TOEIC600点が履歴書に掲載できるレベルだからです。
履歴書に書いてはいけない資格や点数はありません。履歴書の資格欄に記載するルールも特にありません。しかし、履歴書に書いても、採用にあまり影響しないレベルというものがあります。
一般的には、TOEICは600点よりも下であれば、あまり履歴書に書いても採用で有利になることはないです。
多くの職種で募集する人材には、「TOEIC600点以上が望ましい」など600点をボーダーラインにすることから、社会人に必要なTOEICスコアは600点と言ってよいでしょう。
社会人のTOEIC平均点【社歴別】
社会人に必要なTOEICスコアは概ね600点ですが、社会人はどれくらいの点数を取っているのか気になる方も多いはず。そこで次に、社会人のTOEICスコアの平均点を社歴別にご紹介いたします。
TOEICの公式が発表している「2021年度 受験者数と平均スコア」によると社会人の平均点は次のようになっています。
内定者 | 643点 |
---|---|
新入社員 | 538点 |
2年目から5年目 | 550点 |
6年目から10年目 | 551点 |
11年目以降 | 507点 |
上記の表から、内定者(学生)の平均スコアは643点、新入社員538点、2年目から5年目550点、6年目から10年目551点、11年目以降507点となっていることがわかります。
この社歴別の平均点のデータからわかることは、社会人歴が長くなるほど、TOEICの平均スコアが低くなっていることです。TOEIC平均スコアには個人差がありますが、社歴が長くなることで平均点が低くなるのは、英語学習から離れることが背景として考えられます。
内定者や新入社員であれば、学生時代に覚えた英単語などをまだ記憶していることも多いですが、社歴が長くなることで、学生時代に覚えた単語や文法など基礎的な英語の知識が薄らいでいるのかもしれません。
また、社会人になると年次が上がるごとに業務数や責任の負担が増え、人によっては育児の負担が生じることもあります。学生時代のように勉強時間を確保するのが難しくなっていることも背景にあると考えられるでしょう。
社会人のTOEIC平均点【業種別】
次に社会人のTOEIC平均点を業種別でも見てみましょう。
水産・農林 | 625点 |
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鉱業 | 556点 |
建築 | 464点 |
食品 | 583点 |
繊維・紙 | 483点 |
化学 | 533点 |
薬品 | 531点 |
石油 | 601点 |
窯業 | 576点 |
鉄鋼 | 535点 |
非鉄金属 | 505点 |
機械 | 488点 |
電機 | 503点 |
造船 | 516点 |
車両 | 480点 |
精密機器 | 503点 |
その他製造 | 512点 |
商社 | 612点 |
小売業 | 542点 |
金融 | 610点 |
証券・保険 | 639点 |
不動産 | 591点 |
運輸 | 539点 |
電気・ガス | 590点 |
マスメディア | 661点 |
サービス | 569点 |
政府機関 | 525点 |
都道府県 | 455点 |
市町村 | 479点 |
公共団体 | 574点 |
民間団体 | 559点 |
学校 | 631点 |
年度によって業種別の平均スコアは異なりますが、2021年度では証券・保険業がTOEIC平均スコア639点で、業種の中では一番高いことがわかりました。
この理由は、外資系が多く、英語力を求める会社が多いことが背景にあると考えられます。
また、証券・保険業に次いでTOEICの平均点が高いのは、学校です。
学校にもさまざまな種類があり一概には言い切れませんが、子ども向けの機関であれば、働く職員には学習に関する知識があることが前提となるため、自ずとTOEICの平均点が高い人が集まると考えられます。
社会人のTOEIC平均点【職種別】
最後に職種別で社会人のTOEIC平均点を見ていきましょう。
経営 | 646点 |
---|---|
総務 | 524点 |
経理 | 592点 |
人事 | 562点 |
企画 | 599点 |
海外 | 712点 |
購買 | 558点 |
事務 | 542点 |
営業 | 560点 |
技術 | 499点 |
製造 | 415点 |
研究 | 601点 |
現場作業 | 474点 |
広報 | 635点 |
マーケティング | 630点 |
SE | 542点 |
法務 | 649点 |
財務 | 621点 |
教育 | 609点 |
職種別にTOEICの平均点を見ると、「海外」が突出して高く、712点でした。
海外に向けた仕事であれば、英語力が求められることがほとんど。海外関係の仕事であれば日々の業務で英語を使用することが多く、人材を募集する時点で高い英語力が求められるので、TOEICの平均点が高くなっていると考えられます。
また、次にTOEICの平均点が高いのが「経営」の646点です。経営者は優秀な人が多く高学歴な傾向にあることから、TOEICの平均点も高いと分析できます。
番外編:様々なTOEICスコアの平均値
ここまで社会人の社歴別・業種別・職種別にTOEICの平均点をご紹介しましたが、ここからは番外編として様々な平均点を見てみましょう。
今回取り上げるのは、以下の4つの平均点です。
- 海外滞在期間別のTOEICスコア平均
- 高校生のTOEICスコア平均
- 大学生のTOEICスコア平均
- 国別のTOEICスコア平均
海外滞在期間別のTOEICスコア平均
まずは海外滞在期間別のTOEICの平均点です。
海外滞在経験なし | 491点 |
---|---|
6か月未満 | 585点 |
6か月以上、1年以下 | 706点 |
1年より多く、2年以下 | 707点 |
2年より多く | 748点 |
この表を見るとわかるように、海外在住経験が長くなるにつれて、TOEICの平均点は上がる傾向にあります。ここで注目すべき点は、「6か月未満」とそれ以降の平均点の伸び率です。
滞在期間が「6か月未満」の方は平均点が585点となっていますが、海外に「6か月以上、1年以下」在住している方は、706点と100点以上もスコアが上がっていることがわかります。
もちろん個人差はありますが、このデータから、1年未満の海外留学でも6ヶ月以上海外に滞在すると英語力の向上に大きな効果があると言えるので、TOEICの平均点を大幅にアップしたい方であれば、海外留学を半年以上すると良いでしょう。
高校生のTOEICスコア平均
次に高校生のTOEICスコアの平均を見てみましょう。高校生のTOEICスコア平均点は次のようになっています。
高校1年生 | 397点 |
---|---|
高校2年生 | 427点 |
高校3年生 | 449点 |
高校1年生では平均スコアが397点で、高校2年生では427点、3年生では449点と、学年が上がるごとに平均点が伸びていることがわかります。
これは、高校生がまだ一通りの英語教育を終えていないことが背景にあります。
高校生であれば、毎日のように学校に通い、週に複数回の英語の授業を受けますが、3年間をかけてゆっくりと一通りの英文法を習っていきます。そのため、授業を受けるごとに新しい英語知識が増えていくので、TOEICスコアの平均点も上がっていくと考えられます。
大学生のTOEICスコア平均
高校生のTOEIC平均点は学年が上がるごとに伸びることがわかりましたが、次に大学生の学年別TOEICスコアの平均を見てみましょう。
大学1年生 | 471点 |
---|---|
大学2年生 | 485点 |
大学3年生 | 513点 |
大学4年生 | 548点 |
大学1年生は471点、2年生485点、3年生513点、4年生548点となっていて、大学生も高校生同様に、学年が上がるにつれて平均点がアップしています。
大学では経済や法律、文学など専門分野の授業を受けることが多いですが、一般教養や必須科目として英語の授業もあるため、授業を受けることでどんどん英語力を身につけていることが背景にあるでしょう。
また、大学生の場合は、留学する学生も増えます。大学の途中で留学をしたことで英語力が上がり、TOEIC平均点が上がっている可能性も考えられます。
さらに希望する企業に就職するために、資格として英語力に磨きをかける学生も少なくはありません。大学3年生になると就活を意識して、TOEICなど就職に有利になる資格試験を受ける学生も多いので、学年が上がるにつれて平均点が上がるっているのでしょう。
国別のTOEICスコア平均
最後に国別のTOEICの平均点です。全世界と比較して日本のTOEICスコア平均がどの位置にあるのか見ていきましょう。
TOEIC Programを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会が発表した2021年の国別平均スコアは次のようになっています。
ドイツ | 826点 |
---|---|
チリ | 807点 |
レバノン | 800点 |
イタリア | 794点 |
フィリピン | 793点 |
コスタリカ | 765点 |
ベルギー | 760点 |
インド | 759点 |
モロッコ | 749点 |
ヨルダン | 745点 |
スペイン | 739点 |
フランス | 738点 |
ペルー | 727点 |
エジプト | 715点 |
チュニジア | 712点 |
ニカラグア | 703点 |
マダガスカル | 692点 |
コロンビア | 687点 |
アルジェリア | 684点 |
マレーシア | 681点 |
韓国 | 679点 |
ブラジル | 662点 |
ポーランド | 659点 |
クウェート | 645点 |
カメルーン | 627点 |
ヨルダン川西岸地区 | 621点 |
セネガル | 617点 |
ギリシア | 613点 |
コートジボワール | 604点 |
ブルキナファソ | 596点 |
日本 | 574点 |
エルサルバドル | 573点 |
コンゴ共和国 | 571点 |
ガボン | 567点 |
パナマ | 566点 |
台湾 | 565点 |
メキシコ | 550点 |
香港 | 548点 |
中華人民共和国 | 547点 |
レユニオン | 546点 |
2021年のTOEICの国別平均点では、日本のTOEICスコア平均点は574点で、全体の中では31位です。
また、日本と同じ東アジアに属する他国を見てみると、韓国679点、台湾565点、香港548点、中華人民共和国547点で、東アジアの中では韓国が1番高得点です。
なお、国別の平均点が最も高いのはドイツで、TOEICスコアの平均は826点。ドイツは英語と同じゲルマン系言語のため、ドイツ語を母国語にする人にとっては英語学習がしやすいことが背景にあるのかもしれません。
まとめ:社会人に必要なTOEICスコアは600点!まずはTOEICスコアの平均超えを目指そう!
今回は、社会人のTOEIC平均点を社歴・業種・職種別にご紹介いたしました。
前述したように、社会人に必要なTOEICのスコアは、仕事内容によって若干の違いはありますが、だいたい600点と考えて良いでしょう。
また、社会人のTOEIC平均点は社歴や業種、職種によって異なります。社歴別では勤続年数が長くなるごとに、TOEICの平均点が下がる傾向にあります。
内定者 | 643点 |
---|---|
新入社員 | 538点 |
2年目から5年目 | 550点 |
6年目から10年目 | 551点 |
11年目以降 | 507点 |
今後TOEICテストを受けようと考えている方は、自分の属しているカテゴリーのTOEIC平均スコアを知り、まずはそれを目標とされると良いでしょう。
ちなみに、日本では2020年より小学校3・4年生から正式に英語科目が必修化されています。小学校から英語学習をしている世代が社会人になる頃には、現在よりももっと日本全体のTOEIC平均点は上がると予想されます。
今後はますます英語スキルが重要になるはずなので、若い世代に負けないように今から時間をかけてTOEIC対策を始めると良いかもしれませんね。
また、English Withでは他にもTOEIC対策におすすめのアプリやスクールの紹介記事を掲載しています。社会人で忙しい方でもオンライン英会話やコーチングスクールだと通いやすいと思うので、興味がある方は検討してみると良いでしょう。